2019(平成31)年2月27日(水)、「協働推進・マッチング支援事業」の報告会を開催しました。
本事業は、福岡県とミディエイド、株式会社YOUIとの協働で企画運営しているものです。

世間では多くのNPOが、既存の制度や行政サービスでは対応できない社会課題・地域課題に、先駆的・専門的に取り組んでいます。本来であれば、行政や企業など多様な主体とで協働して取り組むことが有効ですが、NPOと行政とが関わる機会は限られており、なかなか実現には至らないのが現状です。また、NPOが取り組んでいるような新たな社会課題の多くは、「まだ社会全体には認知されていない」「解決手法が確立していない」など潜在的で、行政が経費を投入し施策化しづらい側面もあります。

「協働推進・マッチング支援事業」とは、このような現状に対して、NPOと行政の接触する機会を創出し、潜在的な課題領域において具体的な行政施策化・NPO活動化に繋げるべく、NPOと行政が共に試行事業(トライアル)を実施し、実現可能性を検証するための事業です。本事業の効果を高めるために、資金調達や事業設計・検証の支援ノウハウを持つ当法人が伴走支援を実施しています。

今回の報告会では、実際にトライアルを行った3団体の取り組みについて紹介するとともに、その総括を行いました。

実施概要
日時:2019(平成31)年2月27日(水)14:00~16:00
場所:福岡県NPO・ボランティアセンター会議室(福岡市博多区吉塚本町)
主催:福岡県(企画運営:NPO法人ミディエイド、協力:株式会社YOUI)
参加者:27名(スタッフ含む)

進行プログラム:
①事業概要説明
②基調講演「NPOとの新たな協働に向かって」
③個別報告
④グループに分かれて交流・質疑応答個別報告

プログラム概要:
事業概要説明
ミディエイド代表理事の今村より、事業の概要とスケジュール、行政による施策化の考え方、今後の流れなどについて説明。

基調講演
個別報告に入る前に、そもそも「協働」とは何なのか、これまで行政が民間とやり取りしてきた手法・手段と何が違うのか等について共通認識を持つべく、引き続き今村より説明を行った。
また、それに付随して、協働の一種である「コレクティブ・インパクト」、協働によって導入できるようになった「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」とは何か、それらには世界でどのような事例があるのかについて、(株)YOUIの原口氏より説明していただいた。

個別報告
トライアル事業に取り組んだ3団体による発表が行われた。
(1)一般社団法人まほろば自然学校×福岡県自然環境課
 報告者:岩熊志保氏/まほろば自然学校、野田章文氏/自然環境課)
 コーディネーター:今村/ミディエイド
 テーマ:小学校における外来種問題の普及啓発に向けた環境教育プログラムの導入

(2)NPO法人まちづくりLAB
 報告者:永田充氏
 コーディネーター:宮田/ミディエイド
 テーマ:学校に行けない/行かない子どもやその家庭に対する訪問型相談支援

(3)NPO法人Rainbow Soup×福岡県男女共同参画推進課
 報告者:牧園祐也氏/Rainbow Soup
 コーディネーター:原口氏/YOUI
 テーマ:LGBTのDV被害者に対する支援(昨年度からの取り組みについて経過報告)

グループに分かれて交流・質疑応答個別報告
 上記報告3団体および事務局の4グループに分かれ、質疑応答と交流を行った。

所感:
これまで、協働についての研修や講座を受ける機会も何度かありましたが、「結局、協働って何だろう?具体的にどんな意義があるんだろう?」という疑問は、常に根底に残したまま今日まで過ごしてきたように感じます。今回、実際にトライアルを行った3団体の生の声を聴いて、協働の難しさ(マッチングに至るまでの紆余曲折や、至った後の協議の難航など)はもちろん、協働をすることで何がプラスになるのか、NPOと行政それぞれの強みと弱みは何かなど、当事者の話を通してリアルに知ることができました。そして、相談員として協働を推進する立場である自分が、協働の意義を理解するために、自分なりに努力して考えることができること、普段福岡県NPO・ボランティアセンターで県職員の方々と協働して業務する中でもっと意識できること、アンテナを張れることがまだまだ沢山あることに気づかされました。
今回の報告会を通して、ご参加いただいた行政職員・NPOの方の中でも、現在行なっている事業の見直し・改善について検討する意識を強く持たれた方もいらっしゃるようでした。これから事業・活動を行うにあたっての新しい考え方、具体的なアクションに繋がるヒントを得るきっかけとして、この報告会が機能できたのであれば非常に喜ばしいことだと思います。
今回報告をしていただいた3団体の皆様、事業実施にあたってご協力いただいた皆様、そして当日報告会にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

(ミディエイド職員 上津原)