ミディエイドでは今年度、福岡県との協働委託事業として「市町センター機能強化支援事業」に取り組んでいます。この事業は、福岡県内市町の市民活動支援センター向けの人材育成、スキルアップ、相互研鑽を行うもので、①福岡県内公設NPO・ボランティアセンター連絡会(研修+情報交換、年2回)、②センターへの訪問支援(2市町×各3回)、③地方開催の集合研修(年2回)という構成になっています。

福岡県内には現在、24市町に27の市民活動支援センターがあります。センターの機能として、ハード面(貸し会議室や機器利用など)とソフト面のサービスがあり、特に後者に関しては、情報収集・情報発信、団体運営に関する相談、スキルアップ支援、コーディネーションなどといった実に様々な機能・役割が、センター運営に携わる人たちに求められています。
そこで福岡県では、県センターおよび県内の市町センター同士の情報交換・相互研鑽の場として、「福岡県内公設NPO・ボランティアセンター連絡会」を開催しており、去る2月5日(火)、今年度第2回目のセンター連絡会を、福岡県吉塚合同庁舎にて開催しました。

実施概要
日時:平成31(2019)年2月5日(火)10:00~16:00
場所:福岡県吉塚合同庁舎6F 603A会議室(福岡市博多区)
主催:福岡県(企画運営:NPO法人ミディエイド)
参加者:午前(研修)35名、午後(情報交換)38名 …※県およびミディエイドを除く

目的:
研修および情報交換を通して、市民活動支援施設における「相談」機能の重要性に対する理解を促し、相談スキルの向上を図ること、またセンター職員のより良い情報交換の場を設定し、相互の研鑽と交流を図ることを目的とした。

進行プログラム:
①研修「市民活動支援施設における相談支援」
②情報交換
③2センターへの訪問支援、ふくおか地域貢献活動サポート事業フォローアップ報告

プログラム概要:

①研修「市民活動支援施設における相談支援」(10:00~12:30)
*講師:今村晃章(ミディエイド代表理事)

センター機能の一つである相談支援の重要性と基礎について解説を行った。概要は以下のとおり。
解説後、ボランティアに関する相談対応ロールプレイの見学と検討を行った。

*はじめに~相談支援の研修にあたって~
公設センターに求められる8つの機能として、「相談・助言」「調整・紹介」「情報収集・整理」「情報発信・広報」「普及啓発・スキルアップ支援」「ネットワーク形成支援」「仕組みづくり、アドボカシー」「記録・統計・調査」がある。このうち、まずやるべきことは「情報収集・整理」であり、また最も重要な機能は、他7つの機能につながる起点となりうる「相談・助言」である。
相談が来ない原因は主に2点(相談ニーズがないため、相談があっても対応する力がないため)あり、その内容によって優先的に取り組む課題が異なる。なお、いずれの場合でも、相談に来ない団体や個人に責任はない。こうした原因に対処する努力を怠らないことは、市民活動支援センターの設置者や運営者の責務である。
といった内容を伝えた。

*相談の基礎
相談とは、そもそもどういった行為か、相談者と良好なコミュニケーションをとるためには、相談に対してどんな姿勢で臨み、どういった点に気をつければよいかという点について解説を行った。

*相談のプロセス
1)傾聴、受容と理解、2)質問や問いかけ、3)情報や課題の整理(相談の全体像把握)、4)主訴の特定・明確化、5)助言までの流れや、それぞれのポイント等について説明した。
市民活動支援の基本は自律(自立)支援であり、相談者自身で課題を解決してもらうことが重要である。したがって上記の1)~3)までの対応によって、何をすればいいかに相談者自身で気づき、行動変容につながるようであれば、その相談は成功したとみなすことができると解説した。

②情報交換(13:30~15:30)
*進行:今村晃章(ミディエイド代表理事)

午前中の研修に関する簡単なふり返りを行った後、各自が関心のある以下のテーマごとにグループ分けをして、各グループにファシリテーターとして県センター相談員を配置し、意見交換を行った。
*センターに関する困りごと・悩みごと
*協働や連携に関すること
*言いたいこと、聞いてほしいこと
*市町センターへ聞きたいこと
*県センターへ聞きたいこと

③2センターへの訪問支援、ふくおか地域貢献活動サポート事業フォローアップ報告(15:30~16:00)
*報告:三島さとこ(ミディエイド事務局)

今年度の市町センター機能強化支援事業の概要説明と、古賀市および太宰府市へのセンター訪問支援についての報告を行った。各センター訪問支援に関する報告後、訪問を受けた古賀市市民活動支援センター(つながりひろば)の中野氏、太宰府市NPO・ボランティア支援センター(うめさろん)の榊氏からそれぞれコメントをいただいた。
また今年度の県センター相談業務(ミディエイドが受託)の自主提案として企画した「ふくおか地域貢献活動サポート事業フォローアップ」の概要説明と、同フォローアップの一つに同席していただいた久留米市市民活動サポートセンター(みんくる)の吉原氏からコメントをいただいた。

所感:
午前の部は、2018年9月の大牟田市での集合研修につづき、「相談」をテーマとした2度目の研修となりました。ミディエイドでは設立時から市民活動支援に携わる人材の発掘、育成、スキルアップに取り組んでいますが、今回のような相談支援に関する研修の企画運営は今年度が初の試みでした。センター側からのニーズも少々ありましたが、今回のテーマ設定はどちらかといえば、そのニーズに応えたというよりも、公設センターの存在意義や必要性といったものに対して欠かせない機能である「相談」の重要性について口を酸っぱくして言う、伝える機会であったと認識しています。私自身も日々、県センターの相談業務に携わっている立場なので、改めて業務に向き合う姿勢について考えさせられる機会でした。
午後の部は、テーマごとの意見交換でしたが、各センター、また個々の職員で色々な悩みや関心事があることがわかり、こうした横のつながりをもてる連絡会の場を、今日だけでなく、今後の情報交換の足がかりとして活用していただければいいなと思いました。

(ミディエイド職員 三島)