ミディエイドが福岡県から受託している「センター相談業務」における企画提案の自主事業として、福岡県内の市町村で執り行われているNPO・ボランティア団体向けの補助事業や協働事業提案制度の担当者を対象とした情報交換会を開催しました。

昨年につづき2度目の開催となった今回は、昨年を上回る申込があり、制度運用における実務担当者の課題意識の高さがうかがえました。プログラムは大きく3部から構成し、まず実際に制度の見直しに取り組んだ市町からの話題提供を皮切りに、グループに分かれての意見交換を行い、各々が抱えている課題や運用の実例を共有しました。最後は、補助事業や協働事業における「補助する側」「支援する側」「審査する側」のパネリストによるパネルディスカッションを行いました。

実施概要
日時:2018(平成30)年11月20日(火)13:30~16:30
場所:福岡県NPO・ボランティアセンター会議室(福岡市博多区吉塚本町)
主催:福岡県(企画運営:NPO法人ミディエイド)
参加者:33名(19市町・27名、福岡県3名、ミディエイド3名) ※スタッフ除く
目的:
参加者同士で補助事業等に関して現在直面している課題を共有することや、参加者に課題を乗り越えるために必要な視点を考えることで気づきを促し、NPO等による補助金活用状況の改善に取り組むきっかけづくりを目指すことを目的とした。

進行プログラム:
①制度や仕組みの見直しに取り組んだ市町からの話題提供
②グループでの意見交換
③補助する側×支援する側×審査する側によるパネルディスカッション

プログラム概要:
①制度や仕組みの見直しに取り組んだ市町からの話題提供
補助事業や協働事業提案制度の見直しに取り組んだ糸島市および糟屋郡志免町からの事例について参加者で共有した。

②グループでの意見交換
5~6名からなる6つの班に分かれ、上記2市町の発表についての質問や、自市町の制度についての現状や課題に感じていることなどについて意見交換を行った。その後、班ごとに出た話題について発表し、全体で共有した。主な内容は以下のとおり。
*制度運用に係る担当課の負担、周囲や上司の理解、トップの熱意によって温度差があること
*対象を市(町)内に限定するか/市(町)外まで広げるかの議論
*そもそも何のために当該補助(協働)事業制度があるのか、という原点回帰→見直しの流れ
*応募が少ない、同じ団体が何度も申請している、申請内容が課題解決に結びついていない
*制度の周知(説明会、報告会、セミナー等)、審査方法(書類提出、プレゼンテーション)
*団体目線で見た場合の制度の利用しづらさがあること(書類提出、対象経費、補助率など)

③補助する側×支援する側×審査する側によるパネルディスカッション
上記の意見交換で出たテーマ(課題)について、実務担当者、支援者、審査員それぞれの立場や目線から、問題・課題に対する解決案やポイント等について意見を述べ、全体で共有した。
<登壇者>
*補助する側:山川 志保氏、内野 克志氏/志免町まちの魅力推進課
*支援する側:谷川真奈美氏/地域ひとネット代表理事
*審査する側:今村 晃章氏/ミディエイド代表理事、古賀市補助金審査委員会副委員長、他

はじめに谷川氏より、大分県での活動や県内NPOの実態、行政との協働施策等について紹介があった。
続いてパネルディスカッションでは、上記の課題の中から「応募が少ない」「事業の目的」をテーマとして取り上げ、その要因や原因、また対応事例や解決案等について、登壇者および会場の参加者からも意見を拾うかたちで進行した。

所感:
参加者アンケート(回答者30名・回答率91%)では、「他の自治体の状況や課題の共有ができたことで、今後どのように制度を見直していくか参考になった」「新しい気づきがたくさんあった」といった声があり、特に他市町の現状を共有し、同じ実務担当者として意見交換ができたことへの満足度の高さがうかがえました。

また今回、「支援する側」としてご登壇いただいた谷川さんからは、中間支援に携わる立場から行政の考え方、NPOの考え方、それぞれの本音の部分をお話いただきました。団体にとっての強みとなりうる熱い思いを質の高い事業に反映させるため、いかにヒアリングでその思いを引き出し可視化するか、また行政では担うのが難しい部分についていかに中間支援組織と連携するか(外部の資源を活用するか)といった視点について、ご自身のご経験や実践中の伴走支援の取り組みを交えてわかりやすくご説明いただき、参加者からも「とても参考になった」「団体(申請する)側の気持ちがちょっと分かった」といった声がありました。

課題の深さ、複雑さによっては一朝一夕には解決できないものもあるでしょうが、今回の情報交換会を機に、今後の制度改善に向けた半歩、一歩を踏み出していただけると嬉しいです。また中間支援に携わる立場として、センター相談業務やミディエイドの各種事業でも、団体の自立支援や課題解決につながる取り組みを行ってまいりたいと思います。

最後になりますが、事例発表および登壇者としてご協力いただいた糸島市さま、志免町さま、地域ひとネットの谷川さまをはじめ、本会を実施するにあたってご協力いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

(ミディエイド職員 三島)